NGTの山口真帆さんに起きた暴行事件についてAKS初期対応のミス
NGTの山口真帆さんに起きた暴行事件についてAKS初期対応と、それを受けての第三者委員会の公表と、当事者AKSについて会見を見ての所感と、その所感を持ってネットで繰り広げられたファンのコメントを見ての印象と、イマイチつかめないファンの望む事。社会正義って何だろうというお話。
はじめに断っておくと、私はAKBもNGTも特段に興味のある対象ではなく、ビジネス的に成功したモデルとして面白い存在だと思う。(ファンじゃなきゃ言うなとか言われそうだけど、言うのは自由。)
「会いに行けるアイドル」というコンセプトも、メディアの向こう側だけだったアイドルとの距離を無くすことで、いままでとまったく違う顧客体験を提供しているし、そうした新しい体験だったからこそ、人は夢中になったしファンも熱狂した。
東京だけではなく、大阪・名古屋・福岡と大都市と言われる都市部に作られ、次は北海道か?と言われていた中で新潟に誕生したのがNGTだった。
若いタレントは、順調にいっているように見えたし、メディア露出も増えたくさんのアイドルの中でもある意味目立つ存在になっていった。
しかし、山口真帆さんの事件で、それは無理を重ねた上での出来事だったのが露見してしまった。
新潟という小さなエリアに誕生した全国区のアイドルがかなりの頻度で、地元の新潟でライブをしてくれる。
ファンは熱狂し、喜んでオラがアイドルという存在に歓喜していた。
でも、その裏ではやっかいと言われる面倒なファンがうごめいていた。
そのファンは、次第にファンではなくある種、みんなの存在だったアイドルを自分のものにしたいという醜い欲求に従ってアイドルを自分のものにしようと企んだ。
それは、今で言えばストーカーにも近いものだけど、ストーカーとはアプローチの違う犯罪的行為で、違法では内が危険度は同じで、違うのは潜んで近づいていくのではなく公開された場で近づけるという特性を活かして、握手会やライブに参加して自分の存在を認知させる行為をしていた。
特に、AKBGでは総選挙という仕組みがあって、その仕組みで沢山のCDを売ってファンはアイドルへの忠誠心を示すように投票をしてグランプリを決める、選挙とは言っているもののミスコンの延長だ。
まあ、社会的には選挙といった方が理解しやすいし、ミスコンと言ったりコンテストと言ってしまうと人に順番をつけるのか~と不謹慎を許さないといったくだらない人達に絡まれる事を回避もできますしね。
その反面、総選挙という選挙にはつきもののである、他者を蹴落とす行為が顕著になっていく。
そして、NGTではある意味、ひずみのような事が起きる。
初めは、みんなで新しいグループだからアイコンを生み出すという意味で、ストーリー性の高い一人が、それまで誰もなしえなかったような得票を獲り、いきなり、ごぼう抜きにして高ランクに入った。
しかし、本来、人気投票であったはずの選挙が実は民主制もなにもないゆがみとも言える、票を金で買えるという単なる資本の延長で、ビジネス的には成功する。
本当は100万枚売れるはずのない楽曲が、100万枚の投票権つきCDに化けることで、売れるわけだから。
それはいい。
しかし、その結果、買える票を力にそのやっかい達はアイドルを自分達のモノにしようと近づいていく。
事件の前段としては、そんな構図があったわけだけど、サービスの仕組みとして実は1番の重課金者はそのやっかいたちで、自分達がそれだけしたのだから、そうする権利があると認識するようになるのも無理はない。
金払いの良い顧客は、サービスを提供するものにとってみれば大切だ。
しかし、それが個であれば問題の対処としては、惜しいながらその個をパージしてしまえば済む。
「やっかい」がやっかいなところはそれがある種のサークル(グループ)になっていった事だ。サークルになれば、内輪の論理が生まれてしまう。特に、やっかいな行動を当たり前に行う人達が集団になったことで、力を持つようになった。
前段で書いた、NGTの総選挙でのある種異常な躍進の原動力もここにあったのかもしれない。(※これはわからないけど、今度、投票システムを管理・運営していた人に聞いてみよう。まあ、教えてくれないだろうけど)
次第に、そのサークルの悪意が増長して、制御の及ばないものになっていく。
そりゃそうだ。
増長していく醜い心がそこにはあったのかもしれない
選挙の得票を制御出来て、アイドルよりも優位になっていく。
そして、やっかい達の目的はアイドル達の私有だ。
票を武器に握手会の列を武器に、アイドルたちからの認知を得るだけではなく、個別具体的なつながりを持って、優位に立ちたいと考えるのは当たり前の欲求だ。
アイドルは、年若い子供であって得た権利を当たり前にあるものと認識しがち。そして、平等だと言われていたモノが実は平等でもなんでもなく、人気のある中で人が大切にされ、ピックアップされフューチャーされる。
特にショービジネスでは、1番の商品は歌声でもなく演技力でもなく、その存在が1番大切で「売れる」商品です。まあ、実は、コレ誰にでも言えることで、労働力という人間自身が商品であって、それを時間という制約をつけて会社に売って対価をもらっているのだから、人の1番の社会における商品は自分自身が商品です。
だから、モノではなく人が1番の商品であるこの社会では、アイドルというショービジネスでも希有でも何でもない売り方なわけだ。
しかし、それを金だけを背景にした力で支配しようというのは醜い心だ。
確かに、誰しも好きだと思ったものに近づき、手に入れたいという欲求はあるしモノに対してはそれを実現して所有するという欲を満たしている。
多分、山口真帆さんの事件で1番問題視されていて、世の中のオレ正義な人達が許せないのはこの部分についてなのではないだろうか?
自分達は、そうした欲求を制御して単純に好きを体現して、抑えているのにやっかい達は、まったく制御せずに自分の欲望に従って行動した。
そして、それに支配されてしまったアイドルたちに対しては裏切られたと感じたのだろう。
AKSという会社はどんな存在なのか
今回の事件を、AKSというAKBGを運営し、そこに所属するタレント・アイドルを管理するマネージメント事務所は運営と呼ばれている。
その事務所には年若い女性がたくさん在籍して、アイドル活動をしている。歌を歌い舞台に立ちライブを行い、華やかな舞台に立っている。
瞬く間に大きくなり、その拡大に対して組織は惰弱でなにかにつけて失態を演じている。年若いアイドルと言う事もあり、プライベートの境界がなく仕事とプライベート、アイドルと個人を分けると言う事もできないです。本来、事務所はそれをサポートして、管理し活動の最適化を提供するべきでしょう。
事務所は、本来、マネジメントをする存在だと勘違いをしてしまったのかもしれないけれど、実態としては、AKSはイベント企画会社と言った方が理解しやすいでしょうね。
だから、元所属したいた人もそうだし、先日の第三者委員会で登場した責任者の役員である松村匠氏などは元フジテレビの人だし、社長は京楽産業というパチンコ会社の元職の人が代表を勤めていたり、エイベックスの人がいたりとマネジメントと言っても、芸能として人を管理してケアするというようなマネジメントというよりも、エージェンシーとして活動をしてスポンサーと契約をしてCMを獲ってくるといったパブリックイメージを売るという能力に長けた人ですし、その中に、ライブ・握手会などもあったのでしょう。
つまるところ、マネジメント事務所ではなくイベント企画をする会社なのではないでしょうか。
本来、マネジメントをするなら、そのタレントの近くにいなくではならないし、決済や承認などもマネージャーとそれを管理する人が密接に接していなくていけないでしょう。もちろん制作も近くにいた方が円滑に進みます。
しかし、それは東京だから成立していた面も多分にあり、新潟という小さな都市では、地方出身組の子達を管理する事もままならず、やっかいと個別的な接触を持ってしまった子もいたようです。
そして、事件が発生してしまう
そんな中で、山口真帆さんの事件が発生して、その調査を行うという名目で、第三者委員会が調査を「事件」を調査しています。
その結果うけて先日、AKSが会見を開いたわけですが、様相は釈明会見であって、第三者委員会からの公表を自分達の都合の良いように捕まえて、記者からの質問を受けていたわけです。
この第三者委員会からの公表を全文読みました。(本当にあれって全文なのか、なんとなく足りない気がするのですが。文章に整合性がない部分もあったし。そして、先日(3/22の会見もすべてナガラミだけど見ている))
しかし、これは、第三者委員会からの公表を当事者能力も管理能力もなかったことを指摘された事もあり、このすり替えは当たり前だったのでしょう。
特に、公開の場での会見であるのに、その会見に出てくるのが運営の取締役で、全社の決裁権のある代表者が出てこないという時点で、まず、当事者意識がないということなのでしょう。
初めは、遠い新潟で起きたちょっとした事件で地元で解決してくれくらいにしか思っていない事は会見からコメントでも明白で、部長職でしかなかった劇場支配人が決済権もないのに、その場での対応をしていた。
本来、AKSがイベント企画会社で、マネジメントは各支店が出来た時に地元に作って、その地元ですべてのマネジメントコントロールをしていればこんなことにはならなかったと思います。
こうした初期の組織設営のミスが1点ある。
そして、会見はリアルタイムの生ライブ
今回の事件が明るみになったのは、事件から一月後、事件もほぼ不起訴になっていた段階で、SHOWROOMという同じライブでゲリラ的に自分で、公表した。
このとき既にきちんと十全にケアをしていれば良かったのに、結局、その後にAKS側がやった事は劇場支配人を入れ替え、地元の協賛企業と保護者対応だったのだろう。
本来、このときにすべきだったのは、事件の全容を解明するための社内の責任者を設置して、その責任者が常に表立った公表を常にするスピーカーの役割をこなし、マネジメントサイドではタレントのケアを綿密にする。
その上で、AKSが企業のケアをして、自社はタレントを1番に大切にしていることをアピールして、自分達は被害者であるという立場を明確にするべきだったのでしょう。
しかし、やっかいについて認知も知覚もしていて近しい関係などもあったタレント・スタッフもいた事から、そうした動きも取れなかったわけだ。
だから、会見でも釈明におわれ、責任を採るようなコメントをしつづ、自分の責任を回避するようなコメントをしている。給与返上をしているから、責任をとっているというような事を言っているが、この場合は、責任を採るというのはそうした事ではない。
給与返上やカットというのはあくまでも内的な処分であって、それは外に向けた責任の取り方ではないからだ。
つまり、給与返上は単なるAKSという社内での罰則であって、社会へ対する責任の取り方出はないのに、それをはき違えて、今回のことを受けて2月から給与を30%カットしているとドヤ顔をしていた。
コレが、失敗の二点目
会見の中で、山口真帆さんがそれを受けてのTwitterで批難をしてきた事を受けて、そうした発言をされてしまうのはコミュニケーション不足からと言われていた。
しかし、それはコミュニケーション不足からではなく、相手の話を聞かないで自分の良い様にさせようとした事が原因だろう。
舞台上で謝罪をさせたり、Twitterの発言を受けて、そんな事はないと言ってしまうのは大変な失態で、ある種の禊ぎ、謝罪の場でもあったはずなのに、それを認識せずに、相手の意見を聞き入れず自分の主張をしてしまうというのはそうした会見では最悪手である。
本来、話や質問をすべて受けて、真摯な態度を見せて反省の弁を述べる。
その上で、自分達の主張と今後を伝えるべきであるのに、初めから前提として、自分達は悪くないが対応は遅れ関係者に迷惑を掛けた。
そんな、風な態度だから、それを見ていたファンは激怒もするし、山口真帆さんもこの語に及んで嘘をつくという風に言われてしまうのだ。
ファン達のコメントや動画投稿を見て
イマイチわからないのが、ファンが何を求めているのか?
山口真帆さんが復帰出来て、事件に隠されている何かがないか?と言う事を包み隠さず出せってことなんだろうけど、実は、事件としては第三者委員会の公表以上の内容はないと言うのが本当だろう。
警察も不起訴にしているでしょうし、もし、山口真帆さんがこのまま、NGTを辞めたらどうなるのか。
会見では、AKSはやっかいに対して法的な処分も検討しているといううような事を言っていたが、山口真帆さんがNGTを辞めて、AKSおよびその犯人を訴える民事訴訟をしたら、100%負ける気がする。
AKSが犯人を訴えても、多分、民事なのだから和解して終わりだ。
刑事事件なのだから、犯罪性は問えないし犯人は刑務所に入ることはない。
ならば、ファン達は一体何を求めているのか?
これをきちんと明示して訴える必要がある。
劇場支配人に出てきて、会見しろと言ってみたり、第三者委員会の当事者が出てきて会見をすべきだと言ってみたり、そんな事をしてもまったく解決しない。
第三者委員会の公表内容に、12人が私的領域での接触があったと記載をされている以上、A、B、C、Eについては実名を公表するか、謹慎および、12人についても降格などと行った対応をしてその人を罰に処せって事なんだろう。
実際、AKSは山口真帆さんに面談をした際に、そうした事を臭わす発言をしたのだろう。しかし、それは前提として、今回の山口真帆さんの事件に関わっていた場合だ。
しかし、山口真帆さんが求めているのは事件そのものの解決ではなく、この12人のパージなのだろう。
ただ、組織で考えれば、12人を守るか1人の満足を採るか。
そうなれば、12人を守るという決断をするのが組織の論理だ。
なんとなく、言われる正義というモノが山口真帆さんにあるように言われているが、ホントにそこに正義があるのか、個人の満足と、真面目にやると言う事の正義で報われて欲しいということなのか。
疑問だ。
結果、運営という言葉が示す通り、AKBGを運営することしかしていなかったのだろう。
だから、マネジメントも場当たり的で、組織を分社統合しないで、仲間うちの延長で過ごしてしまった。
1番の怖さは不満の蓄積だしな。
あと、個人の私見を述べると、未来ある年若い女性だから、公表を差し控えるという事だったけど、今回の事件があった時に在籍をしたいたというだけで、既に汚点を負ってしまった。
ネットの噂もされ、誰のことかという風聞も出てしまっている事を考えれば、その12人のタレント人生はここで終幕でよいという風にも思う。
それこそ、世界は広い。
芸能の仕事だけが仕事ではないし、長くアイドルをやってしまうと中々他に行きづらくなる。
そうした意味で、早めの引導というのも優しさではあるし、やってはならないことをした責任はとらなくてはならない。
1番のファンの不満は、そうしたやってはならない事の線引きを結局、それを差配するAKSがしていなかったことが明るみに出たことで、やり直すと言うのであれば、NGTを云々と言うよりもAKS全体の事を持ってやり直しを図って組織を強化して、企画・制作・マネジメントと分けて体系化した組織と責任を役員で負うのではなく現場の責任と執行するモノが必須なのだろう。
彼女の選択もあるだろうが、アイドルは一生の仕事でなく、実は人生のうちの一瞬を切り取った輝かしい時期を見ているだけなので、それがすべてではない。
会社が続けることを望むのであれば、山口真帆さんの意見に沿わなくてはならないし、その他12人を守ると決めたのであれば、自然、それと敵対してしまった山口真帆さんはスポイルされてしまうのだろう。
悲しい現実だけどね。
闇があると言っているけど、実際、闇はなく犯人がいて不適切な『つながり』を持ったアイドルもいて被害者のアイドルもいた。
闇を抱えているのは「やっかい」と言われる連中であって、AKSに闇があるのでも、NGTに闇があるのでもないように思えてないらない。
そして、1番の闇は、それを「やっかい」から飛び抜けて、NGTのメンバーにも及ばせてしまっている、自称ファンな人達なんだろうね。