ナウシカ声優・島本須美 出産後、声が低くなったと実感という金言記事を読んで
昔と違い、声優という職業が露出を伴う仕事になってきて色々とレジェンドクラスの方の記事というものがメディアでも語られるようになってきている。
[blogcard url=https://blogos.com/article/278317/ titile=ナウシカ声優・島本須美 出産後、声が低くなったと実感 content=1979年、20代半ばで演じた、宮崎駿監督の劇場版アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』のヒロイン・クラリスの透き通るような声は、当時の地声だったという声優・ナレーターの島本須美さん(63才)。]
よく声は年をとらないとか、年齢に関係なく出来る仕事なんて語られ方をしていたりもしますが、人間の身体は楽器なので、響かせ方出し方、発生、体調と言ったもので影響を受け思い通りの声を出せず、それを使う演技の要求をされる声優という仕事は確かに加齢というものにも影響を受けるという実体験を語ってくれている。
声を出すにはパワーがいる。そのため、体力作りを欠かさないという。腹筋と背筋を毎日100回ずつ、歯磨きの最中もアキレス腱・ひざ裏・ももの付け根を伸ばすストレッチを続けている。さらに最も力を入れているのは、風邪対策。
「風邪をひくとすぐに声帯をやられてしまうんです。しかも、一度風邪をひいたら1か月は元の調子に戻りません。ですから、体調管理には気を使っていますね」
食事は野菜中心で、この時期は鍋で野菜をたっぷり摂っているという。睡眠不足は免疫力を低下させるので、しっかり寝る。さらに、人の多い電車内ではマスクをつけて予防に励んでいる。
と言った部分とかもね。
そうした意味では、仕事の量とか露出とかが減ったりお呼びがかからなくなってしまうと、その調整は大変だと思う。
だからこそ、キープして高齢でも継続して仕事をし続けている人の経験談って貴重で、そのような声は残していかなくてはならないと思う。
将来的に声優の仕事も変質していくだろうし、AI+プログラムで合成音声のナレーションなどやディープラーニングによる解析といったものも大切になってくる。
そして、今いるレジェンドクラスの経験って何にも代えがたい黎明期からの知見が詰まっている。
俳優としての仕事というものはそれこそ、戦前からどころか世阿弥の頃から連綿として受け継がれてきて多岐に分岐して、それが伝統である歌舞伎や能といったものに変化したり、新劇といったものと混じり合って海外の文脈でも語られている現在では、文章や歌舞伎、能の家での系譜といった引き継ぎ方の口伝もある。
しかし、声優は戦後生まれた職業で、ようやく60数年という経過を経た新しい演技形態。
それを残していくためには今、その経験をしてくれている人の意見や考え、設計のプランといったものが積み上がっている状態ですがそれを統合して残していくという試みってほとんどなされていない。
伝統って誰かが引き継いだり、文化的と言ったご大層なものに祭り上げなくてもシステム化して、系統を残していくといった試みって合っても良い気がする。
それは、確かに学校という形では残っているけど、それを集合知として残している場所やDBというものもないわけで、参照したり活用したり、それこそ将来的になんとか流なんて形になり得る演技というものもあるはず。
それは現役の人たちは気がつかないわけで、外的なサービスやアーカイブをビジネス絡めて収益を生む知財化をしていくような組織ってあっても良いのだろうなと考える。
伝統伝統といってありがたがったり、職人職人とみて覚えろとかやって覚えるではなく、語り引き継ぐということをしていかないと手工業のように引き継げないで消えていく職能と言う事になってしまう。
特に、文化的側面の強い演技というものは刹那的でやった瞬間が成果なわけだから、それを経験を語るという形で残していけるそんなものを作り上げたいとも思います。
こうした試みとかはお役所仕事では絶対に出てこないし、既に組織があってというしがらみがあると出てこない発想だろうしね。