新銀英伝 感想 同盟の帝国領侵攻作戦は太平洋戦争の日本と似ている?
こういった感想が、散見されるけど実際には、この帝国領侵攻作戦ってどちらかと言えばキリスト教の中東への大進行である十字軍と似ているのでは?というのが私の感想。
海洋国家である日本の場合は、大陸は中国と相対するのが通常だし、実際、太平洋戦争の前から中国とは戦争をしていた。
これは北方の脅威としてのロシアに対する目的で韓国を併合してから、作った人工国家である満州国を防衛ラインとして関東軍を配置していたけど、関東軍が、どうにも中華民国からのちょっかいに辟易して、戦線を拡大していった結果長引いていた小競り合いの延長が、対中の戦争だったわけでそこは陸軍の領分。
対して、エネルギーを確保ということで南方のフィリピン・マレーシアを取って自分たちの権益にしたいということで先端を海軍が南方へ向けた。
ただ、南方にはアメリカの占領していたフィリピンがあり、そのフィリピンの権益を取られたことから、アメリカから最後通牒であるハル・ノートを受けてなぜか真珠湾を責めてしまうという愚を犯して戦線を拡大してしまった。
本来の戦略なら、ハル・ノートは無視してのらりくらりとやり過ごして、交渉の模索を続ければアメリカから攻撃をしてくると言う事は中々機がなかった様に思うし、ヨーロッパ戦線を支援し続ければそれなりに戦えた気がするので、戦線を無謀にも拡大していってしまった太平洋戦争に似ていると言うのもわからなくもない。
ただ、十字軍も先端を無謀にも伸ばした戦いだったから、その方が似ているかなと思ったら、元ネタは春秋戦国時代最悪の大敗北である「長平の戦い」がソレです。
フォーク准将の元ネタは 趙括 という人物

趙著(ちょうしゃ)の子です
キングダムの少し前の時代だから、別の漫画でその頃を描いている作品
この辺りには出てくるのかな?
趙括の父、趙著いわく
「口先だけの兵法で役に立たない。」
「これではとても戦場にはだせん・・・。」
「息子が将軍になれば、趙は滅びるぞ・・・。」
趙著は亡くなる前、妻に
「絶対に息子を将軍にするな!
「もし要請があっても辞任するんだ・・・。」
と言ったとあります。
実際、このように父親に趙括はこの用に評されており、フォーク准将もビュコック提督に同じように
「ヤン中将ならともかく、勇敢をもって鳴るビュコック提督までが戦わずして撤退を主張なさるとは意外ですな。小官なら撤退などしません」
「そうか、ではかわってやる。私はイゼルローン要塞に帰還する。貴官が変わって前線にくるがいい」
「できもしないことを、おっしゃらないでください。」
「不可能なことをいいたてるのは貴官のほうだ!!。それも安全な場所から動かずにな!!」
「小官を侮辱なさるのですか!?」
「貴官は自己の才能を示すのに弁舌でなく実績をもってすべきだろう。他人に命令するようなことが自分にできるかどうか、やってみたらどうだ!!」
「うっ・・・うう・・・う・・・・・」
旧作では、このように語っていたけど、新作ではちょっと違ったかな?

検索していて、この画像を見て妙に納得してしまった。
新作でも見事な顔芸を示してくれたしね。
そして、元ネタの趙括と言えば、その長平の戦いで率いる大軍は敵の偽装撤退にひっかかりこれを深追いし、軍勢が伸び切ったところを敵の伏兵に兵站線を絶たれ、各部隊は飢えに苦しみ味方同士を殺し合い人肉を喰らいあったという惨状に。
それでも諦めきれない趙括は残余の軍勢を結集し最終決戦…、簡単に返り討ちにされ40万余の軍勢で生きて帰れた兵士は若年の200名程度という惨劇。
この後段がアムリッツァ星域会戦になるのかね。
アムリッツァ星域会戦は結果はここまで酷くないわけで、深追いをする目的ではなく敗退を単なる敗退にしない負けを単なる負けにしない死に物狂いになる必要のない戦いというわけで、微妙な結果だったような。
アッテンボローなどもきちんと活躍してくるだろうし、ポプランやコーネフといった空戦艇乗りの登場もあり、取り急ぎ、一期のキャストは勢揃いって感じなんだろうな。
印象としては、かなり駆け足で、旧作にあった、帝国領での同盟の様子やそこで起きたドラマなども割愛されている感じで、どうなることか。
とりあえず、一期ももう少しで終了なわけでラストまで楽しみだ。