制作サイドに予算がないとじり貧になりマーケットを殺すのです。
殺すという表現は過激すぎてよろしくないですが、何分これ事実なのです。
制作サイドというものちょっと違うので正確には現場ね。
映画にしてもアニメにしても予算配分というモノが有り、スケジュールの中で作っている。
ただ、今まではマーケットは日本国内のみで縮小していく昨今のメディア事情を鑑みるとクリエイティブにきちんと予算を配分して制作サイドのスターを生み出す必要が再び出てきている様に思います。
黒沢監督や小津監督とかスター監督で世界に影響を与えたクリエイターは枚挙にいとまがないけれど、ようやく庵野監督や新海監督、細田監督などアニメでも宮崎駿一強の時代から、監督を中心とした作品作りの眼が育ってきているのが今の状態に思います。
ただ、弊害ではないけれど、テレビアニメの制作は手塚治虫が決めた金額をベースに予算を策定しているので相対的に作品のパワーに比例しない予算となってしまう。
安いからある意味乱造されているという面もあり、もともとが、おもちゃを売るためにアニメを作ると言われていた時代を経て円盤を売るために作るに変わり、今は本を売るためになっている。
コレをもっと、作品を売るためにメディアミクスをする形にしないと駄目な気がする。
そういった試みのかけらは見受けられるし、SAO(ソードアードオンライン)などはテレビを経て映画までにとどまらず、アメリカのテレビドラマになるなど大きな売り上げをIPとして作り上げている。
その一方乱造されて、円盤もうれない作品がほとんどの中、活路を見いだすために中華に対して配給権を売ったわけだけど、それが別にアニメの制作予算増につながる事はないでしょう。
安い金額で作れる事をメリットにするのではなく、実際にはクオリティに比例した予算を獲得してそれで売るという事をしていくもしくは、配給権を先に売ってそれを予算に組み込んで制作をすると言った日本の配給とは別の経路でも予算を獲得しておく事が必要なんだろうな。
上流工程はそうした動きをしているだろうけど、そうした動きで獲得した予算は決して制作を行っている現場に今のままでは下りてくる事はないでしょう。
労使交渉というよりも業界のコンソーシアムがきちんと対価の見合った金額を算定して会社だけでなく業界全体を雇用しうる予算獲得をしなくてはいけないだろう。
また、ロイヤリティーの公平な分配も必要で、いまは配給会社とか制作委員会に入っている会社だけで総取りしたり赤をかぶっている事を考えると作り続けなくてはいけない悪魔契約というのが制作会社とか制作委員会に入っている会社の所以なのだろう。
いまは、入ってきたロイヤリティーを次の制作に回すというチャリンカー(自転車操業)な制作になっている事を含めると宣伝政策や配給先、PRやキャストによるプロモーションなども今までと同じようにするのではなく拡散するようにする仕掛けなどをもっと随所に設置したようなプロモーション施策が必要になるだろう。
だって、今のアニメは基本判を押したように同じプロモーションの方法しかとっていないからね。
画像や事前プロモやインスタ、FB、TWを活用した内容から、ネット配信のライブ番組や評論家の育成といったメディアときっちりコミット出来る良好な関係を築けばいいのに忙しさにかまけてそうした活動を怠っている。
まあ、知らないだけかもしれないが。
キャスト(声優)にしても同じ
基本、ランク制という仕組みが出来て食べられる人が出てきましたが、全体が平等に食べられる必要はないと考えますが、それでも制作予算に組み込まれている以上、バイトに毛が生えた程度のギャラで活動をしている人がほとんどで、副業としてアイドルもやっていたら副業が本業になっているアイドル声優というカテゴリが生まれたりしている。
そうした意味で真摯に声優だけ、俳優だけをしていて食べられる人は実際には数%なわけだから、それを3倍くらいにするともう少しバランスがとれてきて10%くらいが稼げるようになるかも。
よく育てないとか育成という面でサボってきたと言う風に言う論を展開する人がいるが実態を理解していなくて、そうではなく海外から来たメソッドはあるがそのメソッドは実際には日本固有の演技にはなじまない部分もある。
また、業界って実際にはテレビが生まれてからテレビアニメという基準でみれば『鉄腕アトム』(1963年)が初なわけなので、まだ、53年しか歴史はなくはじめは、当日の飲み代とっ払いから始まって、5000円くらいからデモをやってようやくランク制という制度を確立。
実際には、それから離れてさらに安く仕事受けるという暴挙というか業界のシステムを破綻させている人たちも居て、小さなパイをみんなで奪いあっていると言う事になる。
一部そうした枠から抜け出て別の料金体系で仕事を取っている輩も居るがそうした人はまさに輩であり、是正されるべき存在だし、枠から出た人って基本本来必要性ないキャストだってりもするので、撲滅してほしい。
ランク制だって移籍すれば新人に下がるなどや自ら下げたりする人もいるくらいで大ベテランだって食べてはいけない金額の予算しかキャストを使う時にもないのが現状。
本当は俳優として声優として仕事を受ける場合、オーディションを通過して採用が決まった後に決まるべきギャラも交渉の余地などなく、さらには配給権のロイヤリティーなしとかいった仕事もある。
これはアニメだけでなく外画や洋ドラマだって同じでありテレビなどの既存メディアが円盤売れたらねとか配給決まったらねといった作る事が先行されてしまう場合に起こる。
今の時代、円盤が売れることはないだろうし。
※「シン・ゴジラ」や「君の名は」はおそらくうれるでしょう。けど、これはヒットしたからでヒットしていない作品は売れない。
ヒットの定義は、テレビだけでヒットとか視聴率が良かったとかは無意味で、広くあまねく人に見て貰う機会が多いと言う事がヒットなわけだから、業界関係者の評価がいいとか、ファンが多いというものはヒットに所以しない。
そうした中、声優の中田穣治さんの金言
干される覚悟で、日本俳優連合の名の下にデモまで行い声優の地位向上の為に尽力下さった先輩諸氏のお陰でランク制度が出来た。功罪については論もあろうが、一応憧れの職業と見なされるまでになった。ただ、予算がないと、日本俳優連合に所属していない方達が安く引き受けてしまうと言う現状も。(続く
— 中田譲治 (@joujinakata123) October 27, 2016
これは製作会社サイドも声優も同じで、足並みを揃えないと中々個々では変えられない。折角アニメが認められ映画でもヒットを生んでいる今こそ基盤整備のチャンスだと思うのだが。本数を減らしてでも現場のスケジュール管理や予算の増加を実現していかないと消耗戦になってしまうのでは?
— 中田譲治 (@joujinakata123) October 27, 2016
こう言うと、アニメーターや俳優などは本来個々の才能に依る不平等なものだと反論される方もいらっしゃる。それも一面の真理です。
しかし、業界自体が底上げされないと貴方の能力給も上がらないのですよ。自分の関わる皆さんが少しでもいい環境で仕事出来る事がひいては自分の為にもなるのです。— 中田譲治 (@joujinakata123) October 27, 2016
お前ごときがと思われるでしょうが、こういった話しは何年か前から囁かれていました。これを期に、一人一人が声を上げ変化のキッカケになればと敢えて失礼しました。
本来なら、作品外のこう言った話しをここでするのは夢がないですが、アニメファンの皆さんのご理解や応援も大事かと思いまして。— 中田譲治 (@joujinakata123) October 27, 2016
声優や俳優はもっとこうした要求をしていくべきだし、アニメを作る現場の制作者たちももっと声を上げるべきだろう。
声は一度上げただけでは届きません。
1度でなく10でも20でも100でも足りません。
最低1000回は叫びましょう。
声優・俳優にも制作者たちにももっとギャラの支払われる予算を作るべき!
外様ながら見ていて思ってしまった次第です。