中国の動画配信事情を俯瞰してみると独立系としてビリビリは頑張っている

ビリビリ動画って出てきた時には丸っとニコ動をパクったサービスで、昔は日本のアニメとかドラマとかもそのままアップされていた。

漢字で書くと嗶哩嗶哩(これでビリビリ)なんとか読める。

その大本もニコ動で活況を博していた初音ミクの動画を掲載するFUNサイトだった。

そういった意味では、クランチロールに近いのかも。

中国の凄いところは、ファンサブと呼ばれるファンが作っているサブタイトル=字幕を結構大勢で支援をして字幕をオリジナルでつけて動画を違法にアップするという文化もある。

まあ、その実情としては、そのファンサブを買い取ってそのまま字幕として売れるというスキームも出来ているので、近所のおっさんとかおばさんでもいいんだけど、そうした人が日本にいる人に依頼をして録画をしてもらって、ここにアップしてなというやりとりでコンテンツを収集出来てしまっていた点。

そうした違法ありきの文化が最近は変化してきて、上場などを目指す様になってきている。

まあ、中国の場合は、テセントなどといった政府系の巨大資本がいて、そうした支配を受けずに勝負をしたり外貨を獲得するための窓口であるという存在として、ビリビリのようなサービスが使われている気がしてならない。

まあ、日本に上陸して日本でサービスインしてユーザーを獲得するという目的は特にないので、何が目的なのかな?と思っていたら数年前から日本のアニメを公式から買い付けるようになったわけだ。

だから、数年前から起きた買い付けバブルというものは、その火付け役として役立ったということがある。

そんなビリビリ動画が、アメリカの市場に上場をしようとしている。

確かに、中国の市場は不安定だし、中国国民というか政府に株を購入されて、知らないうちにテセントなどに乗っ取られてユQQ系?だったかなに統合なんて話になる可能性だってあるわけで(まあ、アメリカの市場で上場しても同じリスクはある。ジャック・マー傘下のユークに買収されるなんてことはあるかもしれない)そうしたリスクはないというわけではないけどね。

ビリビリの収支

2017年は24億6800万元(約407億円)とすでにかなりの売上高になっている。これは2016年の4倍以上にもなる。このうち83.4%がゲーム関連事業だという。配信事業は7.1%、広告事業は6.5%だ。ここからもアプリゲームの役割の大きさが窺える。

アニメジャーナルより

[blogcard url=”https://animationbusiness.info/archives/5037″ title=”中国の日本アニメ配信大手ビリビリ、NY上場申請へ” content=”中国で日本アニメ配信の主要プラットフォームとして知られているビリビリが、ファイナンスで海外に進出する可能性が高まってきた。中国のエンタテイメントビジネス情報サイト三文娯(3wyu.com)によれば、ビリビリは2018年3月3日に米国ニューヨーク証券取引場に上場申請を提出した。”]

中国で、FGO(Fate/Grand Order)を配信しているのもこのビリビリだったりするし、こうしたローカライズを手がけるのはそれまでは中国のキャリアと組むというのがセオリーになっていて、そうした独立系とタイアップして成功しなかったパターンとしてはDeNAはキャリアと組みグリーは独立系と組んだわけだけど、グリーはテセントとタイアップせず独自の現地法人でやろうとして失敗したわけ。

そうした意味で、現地で日本の意図を理解してローカライズしてくれるパートナーを窓口として事業を展開する方がよいだろう。

まあ、中国の場合は課金率は低いけど、その数は多いので儲けとしてはあるのだろう。

実際、昔、着メロの配信をブリッジした経験では、確かにたくさんダウンロードされたが、レベニューの割合が低いので儲けにはならないかったけどね。

まあ、中国の場合は、儲けよりも将来的にも日本のコンテンツを好きとなって、民主化されたら幸せになれる可能性が100年後にはあるかもしれないという希望的観測で対応するのがよい。

実際、儲けなら市場を支配出来たりメインプレイヤーになれる可能性のある、東南アジアの方がよい。

インドなどもタタなどと組まないときついだろうしね。

しかし、このニュース、ビリビリは上場して資金調達をしてどうするつもりなんだろうね。

と、ここ数日は中国関係の話を書いてきたけど単に中国は駄目だとか言う話ではなく、どう利用してコンテンツを流して少額でも利益を得るか?だけで、決して現地には立ち入ることなく、少しでも利益出ればいいや的なモデルでないときつい。

そして、日本ではやっているからといって、現地ではやると言う事はないのは海外では当たり前だ。

 



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