バンダイナムコ、アニメ海外配信撤退
サイト閉鎖へ 作品争奪、米国勢に敗北

日経の記事で

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バンダイナムコホールディングスは海外のアニメ配信事業から撤退する。子会社が運営するアニメ配信サイトを10月に閉鎖する。過去には海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構、東京・港)も10億円を出資した「オールジャパン」の事業だった。日本製アニメの海外での人気は続いているが、動画配信市場で米国勢との激しい競争に生き残れなかった。

というかはじめから勝負にならない。

だって、アニメの公式配信のルートはすでに席巻されまくっているのに遅れて出て行って、こっちには公式のコンテンツがあるから見て~といったところで、まず、そのサービスを知ってもらうということから始めなくてはならいない。

つまり、前提条件がいつも間違っている。

よくあるのはいいコンテンツ、いい作品を作ったのだから見てもらえるだろう。

この理屈は通じない。

いいコンテンツ、いい作品というものは誰が決めるのか?

それは評論家や作り手ではなく、見る側がいいコンテンツである!いい作品!といって初めて成立するのだ。

一部地域ではやったからといっても、隣に持って行ってもだめ。

それはローカルフードでもよく起こる問題で、関西では当たり前のものが東京では新しいものとして受け入れられるといったことがよく起きる。

それが福岡の場合もあるし、金沢といた場合も北海道という場合もある。

このように日本の国内だけをみてもその地域、ご当地だけで有名で当たり前のものがあり、それを別地方に持って行って受け入れられて全国的に当たり前になるものとそうではないものがある。

まあ、このあたりはローカルフードという食の好みに起因するからという側面がある。

ローカルフードだって決して手を抜いているものではなく、そのご当地の食文化の中から当たり前に生まれてきた要素なんだと思う。

しかし、これがクリエイティブの場合はどうか?

なんども言われているが日本の作品のなかでも海外に持って行ってそのまま受け入れられるものとそうではないものがある。

「ダイスキ」というアプリで動画配信するサービスをやっていたようだが、その中身はドラゴンボール超とかガンダムシリーズだったようだけど、それってそこだけで見ることが出来るコンテンツだったのか?ということがある。

すでに会員を100万以上集めているクランチロールなどといった競合サービスもあるわけで、そのサービスには日本の商社ががっつり投資していて実質、日本の民間の力はそちらで同時配信をすることで有効なサービスを構築している訳で、いまさらアプリだけで、見せるということが果たして正しかったのか?

ACJはなぜうまくいかなかったのか。業界関係者は口をそろえて「参加企業が有力コンテンツを出し渋った」と話す。

優良コンテンツを持つ企業が数多く参加し海外ファンを集めるはずが、各社はHulu(フールー)やネットフリックスなど会員数が格段に多い米国を基盤とする配信事業者にコンテンツを提供するのを優先した。ACJは会員が少ないからコンテンツが集まらない、いいコンテンツがないから会員が増えない――という負のスパイラルに陥ったようだ。

なんてことを書いているけど、アメリカではHuluだってじり貧サービスで、NetFlixと対抗しているのはAmazonだけだし、いまは配信サービスで呉するのはその2つで、そこに対抗していくことってなかなか難しい。

米国の配信サービス大手と勝負できるコンテンツと利便性を日本勢は用意できなかった。

と締めくくられているけど、一番はあとから出てきたサービスに誰も見向きもしなかったというのが実態だろう。

それは当たり前で、単にサブスクリプションで提供してアプリで見ることが出来る同じコンテンツをおいているサービスと、オリジナルも含め、映画からドラマ、その中のアニメというくくりを取り出してアニメだけを見ることが出来るサービスって言うものは、日本国内でも成立していない。

バンダイ・ナムコというのは元々バンダイチャンネルというサブスクリプションサービスをやっているけど、このサービス自体は先発で早くから配信サービスをしていたが、システムとしてはすでに死に体のような気がする。

だって、今の時代にFlashでコンテンツを配信している時点で割ってくれといっているようなものだし、DRMをかけているといってもすでに多くのブラウザでFlashが排他に向かっている時点でユーザーの視聴環境を選ぶサービスというものは成立しないだろう。

実際、View数を見ると延べで2億といった数字だが、長い年月かけての2億だからあまりすごいともいえない。

既存会員がどのくらいいるのか?そうした会員がどういった人で、何を好みその人たちに向けた作品を作ることができるのか?

というのが海外で配信を行っていく上では大切になるだろう。

まあ、日本ではダークファンタジーと言われる分野は海外では当たり前のファンタジーだし、日常系といった作品などはローカライズさらにくいことを考えると多文化に異文化としての日本を紹介するにとどまる作品となる。

東映や東邦、アニプレのようにきちんとマーケティングを行ってからACJが出て行ったという側面がないだろうし、政府系のだめなところが凝縮したサービスになってしまったようだ。

こんな無駄金でクールジャパンといった批判を浴びるような側面の強い予算の金を溶かしてしまって、また、無駄なものを切ってしまったという心境だな。

日本は配信基盤を巡る競争では米大手に敗れたが、コンテンツそのものの魅力が失われたわけではない。今後もうまく配信事業者との関係を維持できれば、海外での販売が大きく伸びる可能性を秘めている。

最後の日経の締めで、くくられているが端から配信基盤を取りに行くという戦略を持ってしまった官僚の間抜けっぷりもしょうがないが、やるならHuluジャパンに出資して日本のHuluの予算強化を行い、海外のHuluを買収して日本発の基盤とするといった位の予算を考案できない時点で視野が狭い。

まあ、所詮官僚手動でそれが経産官僚なわけだから、想定通りだったねという話。

そんな風に感じてしまうニュースでした。

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