NetFlixの新作「オルタード・カーボン」を見た。吹き替えキャストもオススメな
NetFlixでヘッダーのプロモーションで流れていて気になっていたオルタードカーボンが配信開始された。
オルタード・カーボンとは、リチャード・モーガンというイギリスの小説家が原作を書いている方で、日本でも翻訳されて出版されている。しかし、SF作品や翻訳作品というものは中々メジャーにならない小説の世界では、知らない作品だった。
そうした意味では、映画やドラマの形で届く世界になってSFの作品にも触れやすくなったのはNetFlixのよいところなんだろうね。
オルタード・カーボンのあらすじとしては
世界観
「永遠の命」が巻き起こすSFミステリー。
死を克服した世界で、誰が、なぜ大富豪バンクロフトを殺したのか。
SF小説の傑作『 #オルタード・カーボン 』Netflixで本日独占配信スタート。#ネトフリ #死のない世界の殺人 pic.twitter.com/amUBXOGYHH— Netflix Japan (@NetflixJP) February 2, 2018
27世紀、絶滅した高度な火星文明の遺物を利用し、人類はいくつかの惑星に植民している。光速限界のため惑星間航行には数十年の時間を要するが、大容量の通信は即時に行うことができる。人間の心はデジタル化できて脊髄上部のスタックと呼ばれる装置に保存され、クローン培養されたスリーブと呼ばれる肉体に転移することができる。これにより心だけを惑星間移動させてスリーブに移植することができ、また定期的に心のバックアップを取ることにより、死は回避することができる。だが熱烈なカトリック教徒や新啓示派と呼ばれる宗教集団は転生を拒否する。
社会はディストピアとして描かれる。暴力、種々のドラッグ、肉体改造技術などがあふれ、ギャングに対して警察力は限定的である。犯罪に対する刑としては心を保存したままスリーブへの転生を遅らせる保存刑が一般的である。貧富の格差は甚だしく、貧しいものは自分や家族のために新しいスリーブを購入することができない。一方で、老衰死を回避してきた人々はメトセラと呼ばれ、中には強大な財産と権力を保持するものもある。
シリーズとしては現在3作が刊行されていて、その主人公は、今作「オルタード・カーボン」の主人公であるタケシ・コヴァッチがになう。
しかし、タケシ・コヴァッチって妙な名前で、日本人名とバルカン半島系の名前のミックスというのも未来観が出ていてよいのかも。
主役のタケシ・コヴァッチ役は「スーサイド・スクワッド」でリック・フラッグ大佐役を演じたジョエル・キナマンが演じていて日本吹き替えは、星野貴紀が演じている。
本年1発目のおっきなお知らせ!サイバーパンクがお好きな方はどハマりすること間違いナシ!主人公のコヴァッチの吹替を担当させていただいております。観てね٩(ˊᗜˋ*)و
Netflixで「オルタード・カーボン」を観ようhttps://t.co/oBRB7esJae
— 星野貴紀 (@Shockhearts777) February 2, 2018
ジョエル・キナマン(ヨエル・キナマン)はハウスオブカードなどやスーサイド・スクワッドにも出ているがっちり系の俳優で、金髪のヘンリー・カヴィルって面持ちもあるので、日本語キャストとしてスーパーマン役を演じた星野貴紀が演じるのはぴったりという感じだ。
もっとも、ジョエル・キナマンはスウェーデン出身だから、金髪、ヘンリー・カヴィルはイギリスだから茶髪って感じで、納得の風貌。
さて、本題のオルタード・カーボンに話を戻すと、主人公であるタケシ・コヴァッチという人物については
タケシ・コヴァッチ
タケシ・コヴァッチのスリーブする前の容姿 日本の系列企業と東欧人によって植民された惑星”ハーランズ・ワールド”の出身であり、ギャングの一員を経て兵士となった。その後は、エリート兵士として特殊な訓練を受けたエンヴォイ(外交特例部隊)となり、多くの悪名と敵を作ったのち、除隊して犯罪者および傭兵となる。
エンヴォイは高度な戦闘能力のほか、様々な感情を制御することができ、新しいスリーブに転送されたのちも高い適応能力を持つよう訓練され、しばしば他の惑星世界に転送されて潜入軍事活動を行う。
って感じの役で、予備知識としてはエンヴォイやスリーブ、スタックという単語が出てきたなじむまでは時間がかかったが、理解すると面白いと思います。
死という概念も遠ざかり、本物の死と概念的な死で、人間の死という概念も変わった未来の世界。
本当の死は、リアルデス。それ以外は、他者の肉体に意識のみが転送される、人間の魂がバックアップされて永遠に生き続けることの出来る世界。いわば、不死の世界が根幹となっているデストピアの世界が基本になっている。
『オルタード・カーボン』
タケシは外惑星の一つでガールフレンドのサラを殺され、保存刑を受けていたが、心を地球のベイ・シティ(27世紀のサンフランシスコ)に転送されて見知らぬスリーブの中で目覚める。億万長者のメトセラの死亡事件の謎を解くように転生したメトセラ自身に依頼され、予想外の陰謀に巻き込まれる。
『ブロークン・エンジェル』
『オルタード・カーボン』の30年後、タケシはサンクション第四惑星で傭兵となっている。内乱の中で、火星人の宇宙船遺物を見つけたと称する人物と知り合い、保有権を設定して企業に売却しようとする。戦死した兵士たちのスタックを買い集めてスリーブを与えて捜索隊を組織し、放射能に汚染された現場に向かうが、企業内の争いに巻き込まれる。
『ウォークン・フュアリーズ』
『ブロークン・エンジェル』の後、タケシは、ハーラン家が独裁政治体制を敷く故郷ハーランズ・ワールドに戻りギャングに加わっている。一人の仲間が実は300年前の革命指導者であることが分かり、ハーラン家に誘拐される。ハーラン家は200年前のタケシのコピーを使って現在のタケシを狙わせる。ハーランズ・ワールドの混乱を避けるためにエンヴォイ部隊が送り込まれ中、タケシは仲間を救い出し、ハーラン家の支配を終わらせる引き金を引く。
デストピアとは閉じてしまった世界で、持てるものが世界を牛耳ってその他のマイノリティがその支配を受ける世界だから、なんとなく現代の鬱屈した不満とかそういったものも反映されているストーリーになっていて、リアルに感じることの出来る未来像を描き出している。
このまま科学技術が発展していけば、こうなるかもと言うものが表現されているし、それこそ、自分が子供の時に見せられていた21世紀像というものがそこには再現されている。
AIやロボット、VRというものが自然とその世界では当たり前に存在して、親子関係や生きるということ、持たざるものの権力への反抗というキーワードが満ちていて、今作のオルタード・カーボン以降もブロークン・エンジェルやウォークン・フュアリーズという作品がシリーズ化されて作られていくことは想像に難くない。
ブレードランナーといったSFが好きな人は、もう少し違った視点を表現しているオルタード・カーボンを見てみると良いかもしれない。
NetFlixはオリジナル作品で確実に、人気の出そうな作品を作ってきているしアニメなどお国柄の事情に合わせた投資を行っている。
バラエティでは確実に視聴者のいる海外にはないコンテンツとしてのあいのりとかね。
テラスハウスといった作品も、海外のそれとは違って筋書きのある作り方と、結局、争いに収斂していく海外のああいったリアリティ系の番組とは違った作りが面白がられている。
地上波では冴えない、フジテレビも実はNetFlix上では評価される作品を作っていることを考えると、いまいちオリジナルがパッとしないAmazonプライムとは違った盛り上がりとも言える。
Amazonプライムは海外ドラマは、高い壁の男など評価出来る作品もあるし
という様な今話題の仮想通貨をモチーフにしたオリジナルドラマは秀逸だ。
しかし、先日話題として取り上げたチェイスなどは、問題が結局ドンドン広がって原点と言っている清水さんや新潮、テレ朝などが問題を表明。
一般的に勘違いされているのはオリジナル作品は、Amazonプライムとしてはおそらく金は出しているが制作をしているのは、その作品へメインとしてクレジットされている制作会社がになっているのだろうから、企画のチェックと言うよりも企画を持ち込んで話をまとめた企画者が一番罪が重い気がする。
そうした意味では、チェイスについては、Amazonを批難するのは筋が違っていてジョーカーズフィルムが、その筋に対して、攻めを負うべき存在なんだと思えて仕方ない。
プラットフォームは基本、配信権利を獲得するだけで実制作やソフトウェアの権利までは保持しないだろうし、その帰属はメインにクレジットされているジョーカーズフィルムということになってしまう。
現在、第6話まで配信されていて、先日配信されるはずだった第7話からは配信停止になっている。
作品としては面白かったのに残念な結果だ。
ただ、地上波でやって面白い作品になったかはわからないし、地上波批判めいた部分などもあったわけで、そうした姿勢については評価をして脚本家をパクりと言ってみるのは違っている気がしてならない。
そもそも、原作と称されている清水氏や、新潮から刊行されている本は小説ではなく、ドキュメンタリーなんらから原案であって、脚本としては出典をクレジットすればよかった気もする。
始めに、なにも関係ないと突っぱねてしまったから話がこじれてしまった訳だしな。
オリジナルものと言う意味では、ますますこうした権利関係というものの処理って大事になってくる気がする。